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海底47m
同時期に『ケージ・ダイブ』と言う同じくシャークケージ・ダイビングを題材にした映画がやっていましたが、そちらは未見。
前年2016年のロスト・バケーションがなかなかの良作だったのである程度期待をして観に行きました。
良かったところ
海が怖い
途中で姉が海溝を泳いで渡るシーンがありましたが、あの暗闇表現は本気で怖かったです。
いつサメが襲ってくるかも知れないと言う恐怖感よりも、どこまで続くか分からない文字通り真っ暗な深淵は、もっと根源的な恐怖を呼び起こすようでした。
『ファインディング・ドリー』にもところどころギョッとするような暗闇表現がありましたが、この映画には「ピクサーだから悲惨な事態は起こらない」と言う保険はないので。
無音を効果的に使った演出も冴えていましたね。
劇場で観客が文字通り固唾をのんで見守る一体感は映画館で観てよかったな、って感じです。
短いながらもそれなりの人間ドラマ
この手のサメ映画にあるまじき成長ぶりを見せてくれる姉ケイト。
そして意外にも類型的なバカ男で終わらないガイド達など、冗長にならない範囲で人間ドラマをそれなりに描いているのは嬉しい誤算ですね。
そもそも「早く食われてしまえ」と思ってしまうようなバカ女とスケベ男ではこの映画は成立しない舞台設定と言うのもあると思いますが、中々冴えた脚本だと思います。
酸素ボンベが舞台装置として効果的に機能している
映画『スピード』の速度計よろしく、これ以上少なくなったらヤバい!と言うスリルを提供してくれていました。
サメがメインではあるものの、副次的なギミックとして中々楽しめました。
オチ
救いようがないオチは一足先に公開されていた映画『ライフ』のようですね。
正直個人的にはこちらの映画の方が楽しめたくらいでした。
ダメなところ
特になし
サメ映画と言うジャンル物にこれ以上何を望むのか。
総評
案外レビューサイトの評価が低いことに少しガッカリしていますが、個人的には非常に楽しめました。
サメが怖い、海も怖い、クドくない程度の人間ドラマもそれなりに描けている。
ジャンル物としてはパーフェクトと言っていい仕上がりじゃないですかね?
余計なお色気要素もないし、90分と言う上映時間もちょうどいい。
ロスト・バケーションと並んでサメ映画の傑作と称してもいいのではないかと思っています。