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貞子VS伽椰子
日本を代表するホラーキャラクター同士のVSモノ。
エイプリルフール企画が本当に実現したと言う最高の出自を持つお祭り映画ですね。
良かったところ
ホラー映画としてもちゃんと成立している
単なるネタ映画ではなく、貞子と伽椰子の単体パートがホラー映画としてテンポ良く成立している点が評価できます。
貞子の呪いの期限など多少の設定の改変もありますが、それぞれの特色を活かした見応えのあるホラーになっていて、劇場では女性客から悲鳴が上がるシーンもありました。
それぞれの直近の作品である『呪怨・ザ・ファイナル』と『貞子3D』が悲惨な出来だっただけにこれには驚き。
伽椰子パートは衣装など比較的カラフルな色使いが目立ち、貞子パートはシックな色使いになっていて、画面作り的にもメリハリがあって分かりやすい。
同時期に上映されていたヒメアノ~ルにも通じる色彩センスですね。
ヒーロー(ヒロイン)映画としても楽しい
ホラー耐性のある人は貞子と伽椰子の無双ぶりを楽しめる映画にもなっています。
貞子が寺で4人を瞬殺する立ちふるまいは正直カッコいいと思ってしまいました。
殺した人数は貞子が4人+佐津川愛美さんで5人、
伽椰子が台所、風呂場、押入れ、玉城ティナちゃんの母親の4人ですかね?
貞子の立ち振舞い、所作の美しさ
この作品の貞子は動作にやけに気品があります。
後々中の人である七海エリーが美人であることが明らかになりましたが、さもありなんと言う感じ。
歩み寄る動作や手の差し出し方がいちいち絵になるんですよね。
女優陣が可愛い
ヒメアノ~ルで好演していた佐津川愛美さん、アオイホノオの山本美月さんはもちろん、玉城ティナちゃんの美少女ぶりも際立っていました。
目の大きさ、伽椰子パートの『館ものホラー』感と相まって、楳図かずお漫画の世界観を体現しているようです。
後半の超能力バトル化
安藤政信さん、菊池麻衣ちゃんの2人が登場してからホラー色は完全に鳴りを潜め、バトルものと化していきます。
この思い切った振れ幅も作品のメリハリとして効果的に機能していると感じます。
バトル・ロワイアル以降あまり見かけなかった安藤政信さんですが、くそダサいロングシャツを身にまとっているのに相変わらずのイケメンぶり。
決め台詞「バケモンにはバケモンをぶつけんだよ」はTシャツ化されるほど作品を代表するフレーズとなりました。
貞子と伽椰子の邂逅シーンの演出
それぞれが画面の反対側から出現していくシーンは怪獣映画のようで非常に期待感を煽ります。
ダメだったところ
対決シーンの短さ
予告でも目立っていた『ビデオを握りつぶそうとする伽椰子』など密度は濃かったのですが、さすがに尺が短くて少々物足りなさを覚えました。
合体オチ
うーーーーーーん。
劇場で観た時はポカーンとなりました。
「サヤコじゃん」と思った人も少なくないハズ。
とは言えお祭り作品の都合上決着を付けてしまうことも出来ないので、頭ごなしに否定することもできないのかな。
ああ言う形にするならもうその場でヒロインズもスッパリ殺して人類絶滅ENDくらいやってくれれば…。
総評
VSモノの怪獣映画と思って鑑賞すると非常に満足度の高い作品です。
白石晃士監督にはぜひゴジラの新作映画を撮ってほしいですね。
B級映画に理解のある人ならかなり楽しめる作品だと思います。