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スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム
前作ホーム・カミングが近年のMCUシリーズにしては出色の完成度の高さだったので、
アベンジャーズの近作を見ていないにも関わらず鑑賞してきました。
当然アベンジャーズのネタバレを食らいましたが、たぶん今後も観る可能性は低いので気にしません。
良かったところ
エレメント達の映像表現
ドクター・ストレンジなどは個人的に「CGでこんなことまでできるんだぜ!」と言う技術のひけらかしに感じられてしまう映像が多く見ていて疲れましたが、
今作のCGはあくまでキメ絵の見栄えや勢いを重視した作りになっていて非常に好感が持てました。
ヴェネツィアの水のエレメント、プラハの炎のエレメントが暴れ回るシーンは圧巻でしたね。
エレメント達の正体を考えると完成度が高すぎる感もありますが、映画なのでそこのリアリティを追求しても仕方がない。
ミステリオ
正直見た人誰もが見どころとして上げるんじゃないかと言うレベルのキャラクター。
MCU初登板の名優ジェイク・ギレンホール氏は本当にこう言う二面性のある役柄が似合います。
出演しているだけである程度映画のレベルが底上げされてしまうレベルの俳優ですが、今作はストーリーテリングも演出もハイレベルなので見事な相乗効果が生まれていましたね。
エンドロール後の展開も含め、作中で最も印象に残るキャラクターであることは間違いないと思います。
学園物としても堅実な作り
前作ホームカミングもそうでしたが、ピーター・パーカーの学生であると言う境遇をストーリーにうまく絡ませ、各人の葛藤や成長、恋愛なども内包していくハイレベルなストーリーテリング。
いい意味でアメコミ映画らしからぬ丁寧な作りになっています。
ダメなところ
序盤は少し退屈
修学旅行に行くまでの話運びが丁寧すぎるかな、と思いました。
エンドゲーム後の世界で何が起き、ピーターがどんな思いを抱えているか。
大事な部分だとは思いますが、もう少し尺を縮められたかな。
とは言えエレメント出現以降は見どころがつるべ落とし的に続くので、2時間と言う上映時間の長さは感じませんでしたが。
トニー・スタークのエピソードをもう少し掘り下げてほしかった
彼の負の側面から生まれた事件ですが、ここの描写がサラっとしすぎな気がしました。
娯楽作品の要素が強いシリーズなのであえてかもしれませんが、せっかくのギレンホールの怪演を際立たせるために尺を増やしてほしかった。
総評
ミステリオで言えば満点。
もう少し人間の二面性、負の側面を強調した話になっていればより深みが増した気がします。
エンドゲームの後の作品であまり暗い話にしてもDCシリーズに寄ってしまう気がするし、万人受けするのはこのバランスだとは思いますが。
全体的には間違いなく名作と言える作品でありシリーズなので、MCU離脱が非常に残念です。