小説版 機動武闘伝Gガンダムが面白い

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小説版 機動武闘伝Gガンダム

アニメ版機動武闘伝Gガンダムの脚本をメインで務められていた鈴木良武先生著作の小説版Gガンダムを読みました。

結論から言うと、Gガンダムを人生最高のアニメだと思っている管理人にとっては大満足の内容でした。

各章の解説はネタバレを避けて書いていくので、少しでもGガンダムに興味がある人はぜひ読んでみてください。

電子書籍化もされています。

機動武闘伝Gガンダム 発動の章

1巻『発動の章』は地味

アニメ版Gガンダムもわりと序盤は「ドモンとレインの地球大紀行」的な地味な話が多いですが、

小説版1巻も個人的には地味に感じられました。

キャラクターや世界観の改変はまぁいいのですが、小説版の世界観説明に割かれる尺が長く、

さらにストーリーの都合上仕方ないのですがガンダムファイトに至る過程が毎回同じ。

小説版ドモンはアニメ序盤の無口だった頃のドモンと比べてもなお暗く、さらにアニメ版シャッフル同盟のメンバーやレインまでもシリアス一辺倒ですがこれはまぁ気になりませんでした。

とりあえず1巻の時点では設定の大幅な改変はあまり活かされていませんね。

文字だけですが、マスターガンダムやドラゴンガンダムのデザインがアニメと異なる描写がされているのはGガンマニア的には面白い。

各巻のあとがきを見るに小説版Gガンダムは読者からは結構な反発を食らったようです。

まぁ1990年代中盤頃はまだアニメ版と小説版で大幅に設定を改変するいわゆる『○○時空』とか『マルチバース』みたいなノリはあまり浸透していなかったのかも?

近年(でもないけど)は蒼き鋼のアルペジオのイオナが原作とアニメで別人だったり、

ラブライブ!が小説School idol diary版とアニメ版では全然キャラが違ったりで、わりとそのあたりには寛容になってきた気がします。

機動武闘伝Gガンダム 発動の章

2巻 流動の章からエンジンがかかってくる

基本的にガンダムファイトに至るシチュエーションは同じですが、

バトルフィールドに変化があり、戦闘描写もこなれてきた感じがあって飽きずに読めます。

ボルトガンダムの描写がアニメと異なり、後年の超級!機動武闘伝Gガンダムをちょっと想起させるのがニヤリポイント。

独特なドモンの開眼の描写はアニメで見てみたいですね。

機動武闘伝Gガンダム 流動の章

3巻 綺羅の章はGガンダムファンにとって文句なし!

デビルガンダムに関する全ての謎が明らかになり、終盤では急にアニメ本編のGガンダムっぽいノリが顔を覗かせてメチャクチャ面白いです。

Gガンダムファンにとってはこのカタルシスを味わうためだけに1・2巻を読む価値があると断言してしまいましょう。



と言うか3巻は目次の各章のタイトルが結構なネタバレなので、買った方は薄目で読み飛ばすことを推奨します。

ただ最後だけはちょっと尻切れトンボ感があったかな?

ドモン以外のガンダムファイターの描写も入れてほしかった。

機動武闘伝Gガンダム 綺羅の章

ネタバレあり感想

アニメ版ではジェスターガンダムに負けたり何かと扱いが悪いジョルジュとガンダムローズがものすごくカッコよくて強キャラ然としている…!

本編では卑劣な飛び道具みたいな印象が拭えなかったローゼスビットも大活躍!

同じくアニメ版ではシャッフル同盟最強クラスとして描画されながらもアレンビーに負けたりしていたアルゴですが、

小説版では東方不敗マスター・アジアとも渡り合えるほどの最強クラスの実力者として描かれているのもいいですね。

サイ・サイシーは口調こそそのままですが、序盤はやはりシリアス気味。

後半になってから兄貴呼びが飛び出してドモンのために献身、ジョルジュの心を動かすあたりは感動しました。

そして何と言っても東方不敗マスター・アジアの記憶を取り戻すところからの最期のシーンまでのくだりは文字小説ながらアニメ版にも負けない感動を与えてくれました。

この大変盛り上がるシーンで石破天驚拳を石破驚拳と記述する痛恨の誤植が飛び出しているのですが、一瞬小説版オリジナル技かと思った。

まぁそれすら大して気にならない展開の熱さがあります。師匠…!!

チボデーは他のシャッフル同盟(便宜上こう呼ぶ)と比べるとちょっと扱いが悪かった気がしますが、

最後の黒いシャイニングガンダムにリベンジマッチを挑むあたりで面目躍如。

ただこの試合の描画が最後まで描かれなかったのは残念でしたが…。

スッキリ勝って終わらせてほしかったな。

とは言え気になるところに比べれば美点の方が圧倒的に多いので、何でもいいからGガンダム成分を欲している人にはオススメ。

声に出して読みたい日本語、『起泡暗黒通(きほうあんこくつう)』。

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