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ライオンキング感想
劇場版おっさんずラブとどちらを観るか迷ったのですが、こちらを鑑賞。
アニメ版はなんとなくあらすじを知っている程度です。
良かったところ
ディズニーらしい普遍的なテーマとストーリーの完成度
親子愛、父親への憧れとコンプレックス、受け入れがたい過去の払拭、理想の共存関係に対する問いかけなど普遍的なテーマを物語中に自然に取り入れる脚本は見事です。
誰しも取り返しがつかない過去の一つくらいはあると思いますが、「過去は変えられないが未来は変えられる」と言う使い古された陳腐なセリフをこれだけの説得力を持って描けるのは本当にすごい。
カット割りも的確で中だるみするような場面もなく、演出は完璧と言っていいのではないでしょうか。
ミュージカルパートも非常にタイミングよく挿入されていると思います。
「私は必要に迫られて勇敢になるだけだ」
「今日だって怖かったよ、お前を失うのが」
など一度聞いたら忘れられない名言もてんこ盛り。
圧倒的なCG
CGの出来が映画の全てではないですが、それにしても背景も動物もさすがのクオリティ。
ネコ科の魅力を最大限に引き出すデザインのアレンジ具合も見事。
ダメなところ
序盤の画面づくりが少し単調
冒頭から圧倒的に緻密なCGを明るい画面で惜しみなく見せてくれるのはいいのですが、薄暗い場面が目立つ後半との対比のためか、少し明るいシーンが多すぎるように感じました。
良く言えば画面全体が見どころとも言えるのですが、フォーカスがハッキリしないために見ていて疲れる感じが否めず。
例えが悪すぎるますがマイケル・ベイのトランスフォーマーに近いものがあります。
独善的な悪役描写
元々が90年代の作品なので時代的に仕方のない部分はあると思いますが、
スカーやハイエナ達が一方的な悪としてしか描かれていないことには『ズートピア』や『マレフィセント』、『アナと雪の女王』を鑑賞したあとだと違和感を覚えますね。
20年の間にストーリーテリングの王道が変わったのだと考えるとこれはこれで味わい深いものですが。
CGがリアルすぎることによる問題も
ライオンがライオンすぎてパッと見でメスライオンの区別が付かなかったです。
ナラのデザインくらいはもう少し変化を付けても良かったのでは。
シンバとスカーの対決シーンも画面が暗いためかどっちがどっちなのか分からなくなることがありました。
あと虫がリアルすぎて気持ち悪かったです…。
総評
★★★★★
多少の粗は気にならないくらいに前向きな気持ちになれる大傑作と言えるでしょう。
老若男女関係なくぜひ劇場で鑑賞してほしい作品です。