ロスト・バケーション 感想

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ロスト・バケーション感想

原題『The Shallows』。

シネコンでサメ映画が上映されているのが珍しくて観に行ったのですが、思わぬ拾い物でした。

良かったところ

スマホ演出

序盤の不自然なまでに能天気な空気によく合っている小洒落た演出でした。

見やすい上にテンポの良さにも貢献してくれる画期的な手法。

他の映画も採用すればいいのに。

序盤の海が既に不穏

メチャクチャ綺麗な海なのに、サンゴの影の撮り方や、水面を境に水中と水上を交互に映す演出がゾワゾワ感を誘います。

『予兆』の演出だとしたら見事です。

この後のクジラの死骸発見からサメの襲撃までの流れは完璧でしょう。

クラゲ超怖い

サメも怖いけど、変な話サメに襲われて死ぬなら戦力差がありすぎて諦めがつくんですが、

ゴジラよりガイラとかモゲラ、メガヌロンの方が怖いと言う話



サメよりも身近なクラゲの触手の方が生理的嫌悪感を誘うんですよね。

死なないまでもクラゲに刺されたことがある人なら痛みが用意に想像できるし、夜の海に大量のクラゲが発光して浮かび上がるシーンの気持ち悪さと言ったら。

二転三転する最後の決戦

発煙筒で助かる!→ダメ

クジラの油で燃えろ!→ダメ

普通なら決着がつくタイミングを2回外してくるのは意外性があって良かったですね。

人類の叡智と言うか、力学を応用してサメを退治するのも、アイディア・見せ方ともに秀逸だと思います。

ダメなところ

夜のシーンが何もなしに過ぎてしまう

陸の孤島と言うか海の孤島で周りは暗闇。

一番怖くなるシーンのハズなんですが、お供のカモメのおかげなのか、安堵感がにじみ出てしまっているのが少し残念でした。

どんな演出を見せてくれるのかと身構えていたのですが。

総評

90分未満の尺の中に見せ場をよく詰め込んだ、サメ映画の佳作だと思います。

エンタメに振り切った作風で人間ドラマが和紙より薄いのも潔い。

良質なB級映画が観たい人にはオススメできます。

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