2023年7月時点で公開中/再上映予定の映画感想

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2023年7月時点で上映館あり/または再上映予定の映画の感想

公開が終わった映画の感想をまとめて書くのは楽ですが、

リアルタイム性も大事なので、間を取ってある程度の期間の映画感想をまとめました。

劇場版TOKYO MER~走る緊急救命室~

ドラマを見ないで鑑賞した『劇場版 推しが武道館いってくれたら死ぬ』がすごく面白かったので今作もドラマを見ないで鑑賞。

とは言え予告からは感動ポルノっぽさが感じられてそれほど期待していませんでしたが、開始5分でもう引き込まれていました。

鈴木亮平さんの所作が(少なくとも素人には)非常に医者っぽく、頼もしく感じられる。

日常パートを取っても撮り方がうまくてダレませんし、一難去ってまた一難と言う災害の描き方も見事。

ちはやふる結びで好演していた賀来賢人さん、きれいな都知事ゆり子こと石田ゆり子さん演じる都知事・赤塚梓もいい役回りでした。

それにしてもTOKYO MERにつぐ第二のMER、YOKOHAMA MERの登場には劇場で笑っちゃいましたw

YOKOHAMAならKANAGAWA MERを名乗るが妥当だろうに、横浜市はそう言うことをやって都心部の失笑を買いそうだなー、と言うリアルさ。

AZABU MERとかSHIROKANE MERを出動させて黙らせてほしい。

「YOKOHAMAはいいよなー、家賃6万じゃこっちじゃ駐車場しか借りられないよぉ~。」

「あっ、パスポートなしで来られるんですね、YOKOHAMAからSHIROKANETAKANAWA。」

「いや違います、SHIROGANEじゃない、濁らないんです、YOKOHAMAの人はご存知ないか~。いいなぁ、濁る濁らない問題がYOKOHAMAにはなくて」

『怪物』

永山瑛太さんと安藤サクラさんの演技が素晴らしく、セリフのリアリティもすごい。

意図した演出なのかミステイクを使ったのかは分かりませんが、

セリフを噛んだり、興奮して主語が入れ替わったりしているセリフがそのまま使われているのが大きな特徴で、自分はどちらにしても非常にいい演出だと思いました。

後半子供2人のパートになってからの尺がやや長く感じられて若干の尻すぼみ感はあるものの、映画館で観てほしい作品です。

劇場版「美少女戦士セーラームーンCosmos」前編/後編

セーラームーンの知識はあまりないもののなんとなく鑑賞したらこれが当たり。

OP曲が流れた時点ですでにテンションはMAXになっていました。

知らないセーラー戦士や過去エピソードも多々あったものの、

ウルトラマンのぐんぐんカットにあたる変身バンク、ウルトラマンのスペシウム光線にあたる必殺技がバンバン飛び交うヒーローものみたいなノリで見ていて非常に楽しかったです。

そしてED曲、Daokoさんの『月の花』が超絶名曲。

個人的に2023年のアニメ曲ではYOASOBIの『アイドル』と同じくらい好き。

ED直前では多少くどく感じる箇所もあったものの、この名曲が流れたらすべてOK!と言うくらいのパワーがありますね。

放課後アングラーライフ

関東での初回の上映は終わっていますが、8月から関東の一部の劇場で再上映が決まっています。

これは2023年に観た映画でも上位候補、と言うよりはおそらく邦画TOP、全体では2位になりそうな作品です。

1位は多分ですが中国映画のライオン少年。

何しろ2023年の邦画は豊作なので、単純な完成度で言えば『少女は卒業しない』『あつい胸さわぎ』などもっとよくできていると感じる作品はありますが、

とにかく作品全体に漂う何とも言えない穏やかで透明な空気感と主演女優たちの演技が良く、観ていて「いい映画だなー」と言う幸福感に包まれる映画でした。

観たあとは海沿いの田舎に行きたくなること間違いなし。

多少ウェッティな展開もありますが、あくまで全体の印象は爽やか。

釣りが題材ではあるものの、特に釣り知識が必要と言うワケでもないので邦画好きな人には強くオススメしたい映画です。

裸足になって

個人的に洋画より邦画の方が好きなのですが、こう言う完成度の高い作品に出会えるとテンションが上がりますね。

アルジェリアの警察の腐敗、テロ行為への抗議など比較的重めのテーマがストーリーに自然に溶け込んでいて、シーン運びもうまくダレることがありません。

レンズフレアを多用した演出が印象的で、フランスが制作に携わっている映画ってやはりどことなく上品なイメージがありますね。



実際のフランス人が必ずしも上品ではないことはパリ旅行で実感していますが…

今年観た洋画の中でも数少ない、他人に勧められる映画です。

君たちはどう生きるか

この作品は特にネタバレ注意!

まぁやはり巨匠宮崎駿監督の作品と言うことで初動の興行収入はかなり高め。

映画としても開幕の火事のシーンの掴みはOKで、

眞人が石で自分の頭を殴りつけるところなど「こいつやるな…!」とキャラ造形の巧みさに大いに感心しました。

個人的にアレは「同級生を排除ないしは学校に行かずに済む効率的な手段」として取ったと考えています。

ところが塔の内部に入り込むあたりからかなり雲行きが怪しく。

女性2人とそれぞれ出会って食事をして異世界の作法と異世界の生き物の生態を学んで…と言う似たようなくだりが2回続き、

特にストーリーの根幹には関わらない余計な情報が多く、自慢のアニメーションすらも異世界に行ってからは新鮮さがなくなってぶっちゃけダルかったです。

個人的にはすずめの戸締まりとかTHE FIRST SLAM DUNKの豊かな映像表現を見た後にこれはキツい。

ファンタジー世界よりも現実世界の方が絵面に工夫が見られて楽しいってどう言うことなの…。

宮崎駿監督の自伝的な内容を多分に含み、タイトルのような説教くささは全くなく、宮崎駿監督は「こう生きた」と言う話であることは分かるのですが、

それにしてもインコの王はあまりに脳筋すぎるし最後はブツ切りだし、異世界に行ってから時間が経つのが非常に長く感じました。

個人的にはnot for meでしたが、まぁ宮崎駿監督の新作をリアルタイムであーだこーだ人と話せる機会と言うのは中々ないのでとりあえず鑑賞してみる価値はあるでしょう。

スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース

前作スパイダーバースがすわスパイダーマンもポリコレの時代か?と思わせておいてメチャクチャ面白かったので今作も鑑賞。

映像表現はたしかに斬新だし、各所でも絶賛されていますが、個人的には決め絵が前作スパイダーバースよりも弱くなっていると感じました。

上映時間がまぁまぁ長いのに単体で完結していない映画だし、作中ほとんどウジウジ悩む展開でカタルシスも微妙…。

前作スパイダーバース超えどころか、スパイダーマンシリーズ全作品で見てもかなり下の方と言う評価になりました。

ザ・フラッシュ

興行収入的に苦戦しているようですが一応記事投稿時点でまだ上映館あり。

とにかくサッシャ・カジェさん演じるスーパーガールの可愛さカッコよさ存在感が凄まじく、

彼女が活躍している間は年間ベスト級でした。

ベン・アフレックとマイケル・キートン演じるバットマン両方の登場などマルチバース要素を生かした燃える要素もあるのですが、

いかんせん尻すぼみと言うか、「結局何のために過去に戻ったの?」「スーパーガールもバットマンも何のために登場したの?」と言う疑問は拭えず終わり方は微妙。

まぁ同日公開のスパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバースよりは個人的には面白かったです。

東京リベンジャーズ2 血のハロウィン編 運命/決戦

東リベ映画は1作目から観ているので両方鑑賞。

1作目からハマり役だった山田裕貴くんのドラケンはもちろん、村上虹郎くんの一虎がドチャクソにカッコよかったです。

一方で『運命』の後半で明かされる一虎の動機がどうにも理解しづらくモヤモヤしていたのですが、

続く後編の『決戦』ではほとんどハデなケンカばかりで話が進むので「まぁいいか、楽しいし!」と気を取り直したところ、今度は場地圭介の謎すぎる行動で一気にトーンダウン。

原作マンガは未読ですが、どうやら原作とプロットは変わっていないようです。

アニメやマンガでも恐らく違和感を覚えるであろう展開なので、実写化にあたっては思いっきり変更して大団円にしてしまっても良かった気がしますね。

「ここで泣け!」とばかりに感動的なBGMが流れてスローモーションが多用されるのもキツかったです。

あんま邦画を観てない人に限って「邦画の悪いところガー」って言いがちなんですが、この演出に関してはそう言われても仕方ない…。

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