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GODZILLA/ゴジラ 星を喰う者
前作にかなりガッカリさせられたので、前評判の悪さもあって期待値ゼロでの鑑賞になりました。
一応この映画を観に行く気がある人はネタバレを避けた方が『まだ』楽しめると思います。
良かったところ
序盤の宗教観や英雄問答
ほとんどセリフばっかりでイメージ映像も少なく、正直ゴジラ映画でやることか?とは思いますが、問答の内容そのものは面白かったです。
どのようにして人々が宗教や英雄を求めるのかと言うスピリチュアルかつ正解がない内容に関して、映画の状況から導き出される答えは興味深いものでした。
前述の通りゴジラ映画にこう言う話を期待している人はいないと思うので、否定的な意見が多そうですけどね。
博士の「こんな閉鎖的な空間でマイノリティーになりたくはないさ」と言う現代人的思考もリアリティーがあって好きです。
登場時のギドラの神格表現
時空や時間軸を捻じ曲げる存在としての描写のされかたは良かったと思います。
「私たちはすでに死んでいることになっているんです」のくだりとか、これはヤバいな、と思わせる演出でした。
メトフィエスの祭壇から昭和のキングギドラの鳴き声がするのもオマージュとしてよかったですね。
実際に登場したのギドラはVSシリーズとも昭和とも違うなんだか形容しがたい鳴き声でしたが。
あとはゴジラに巻き付く絵もVSキングギドラのポスターを想起させて絵としては見栄えがよかったです。
まあ終始はほとんど動いてませんでしたが…。
BGM
キングコング対ゴジラとかモスラとかあの辺の原住民が出てくる怪獣映画のBGMを現代的にアレンジした感じの曲が多用されていて、BGMは全体的に優秀だと思いました。
ダメなところ
相変わらず感情移入できない主人公ハルオの自問自答長すぎ
後半メトフィエスと邂逅してからの精神世界的な演出が冗長すぎて見ていられませんでした。
そもそも事前に映画2作もやっているのにいまいちキャラクターに深みがないハルオの内面なんか見たくないって。
このパートで唯一の見せ場になりえたかもしれないモスラはシルエットだけだし。
ハルオの謎の地球愛は最終的には一貫性を持った行動で終焉を迎えた訳ですが、終始空気だったユウコ曹長ともども本気でどうでもいいとしか思えませんでしたね。
マイナとミアナの入れ替わり演出とハルオの選択
まず両者の違いが見た目で分かりづらいし、ミスリードとしても面白くない。
違うアプローチで迫ってみたらマイナとは子作りする気になったのも意味不明だし、モスラのオマージュ以外の意味でこの2人を双子にした意味も感じられない。
最初から一人のキャラクターで良かったのでは。
製作者的にはハルオの心情の変化を描く役割として重要な意味を持っているのかも知れませんが、個人的には物語の進行上どうでもいいことを理解するために頭を使わされてストレスでした。
実体化したギドラ弱すぎ
刃牙道の「素手の武蔵は強くない そんな奇跡は期待しないほうがいい」的な展開を期待したのですが、観測者メトフィエスがいなくなった途端、ハルオ達人類より弱そうな無様な負けっぷり。
VSギドラの熱いキャッチコピー「お前だけには絶対負け
戦い方も非常に地味でほとんど動かないし、怪獣プロレスを期待する映画じゃないにしてももう少しバトルを盛り上げてほしかった。
総評
ギドラ登場シーンは掛け値なしに良かったのですが、思い起こしても不満点が多すぎますね。
もう日本でゴジラを作らなくてもいいです…。
レジェンダリーに任せましょう。