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機能の改良が続くWindows
近年のWindowsの機能の進化はめざましく、パッと思いつくだけで以下の改善が加えられています。
- Win+Vによるクリップボード履歴
- 非アクティブなウィンドウでもホイールスクロールが効く
- 仮想デスクトップ
- Snipping Tool→切り取り&スケッチによる素早いキャプチャ
- Zipファイルを展開せずに中身を見られる
- isoファイルのマウント
- 幅広いコーデックの動画ファイルを再生できる動画プレイヤー
- ファイルリネーム時に拡張子以外を選択
- デスクトップ録画ソフトの標準実装
- タスクバーにマウスオーバーでプレビュー
- タスクバーのアプリを並び替え
- パーティションの分割/拡大/縮小が何度でも可能に
- 不安定だったWin+Bによるタスクトレイへのフォーカス移動の安定化
特にクリップボード履歴を標準で実装しているOSは2020年1月現在でWindowsだけではないでしょうか。
Windows XP時代は常駐ソフトで賄っていたような機能が次々と実装され、標準でもかなり快適なOSになりました。
昔のWindowsは『対応ツールの優秀さを含めて』優れたOSでしたが、最近はソロでも十分に戦えるOSになっています。
もう使うこともなくなりましたが、この記事ではかつて貧弱だったWindowsを便利にしてくれた多機能ユーティリティを振り返ってみました。
ArtTips
http://moewe.xrea.jp/soft/arttips/arttipsmenu.html
AriTipsに関しては↑のmoeweさんが詳しいのですが、多機能ユーティリティの基礎となる極めて優秀なツールです。
Ctrl+右クリックや右クリック連打によるクリップボード履歴の呼び出し、メニュー型ランチャー、非アクティブウィンドウをホイールスクロールする機能など、常駐ソフトに求められる多くの機能を網羅していましたが、特に優秀なのがクリップボードにコピーした順番にペーストできるAUTO FIFO(First In First Out)と言う機能。
『AAA』『BBB』『CCC』の順番にコピーしたテキストは通常『CCC』から貼り付けられますが、AUTO FIFO実行時は『AAA』→『BBB』→『CCC』と古い順に貼り付けることが可能で、住所などを入力する時に『たまにすごく便利』な機能でした。
ArtTips以外にもFIFOを実装しているアプリは当然ありますが、ArtTipsは一度FIFO機能をオンにしたら連続コピー後に貼り付けるだけと言うシンプルな操作方法が魅力で、他のアプリは貼り付け前にもう1ステップ操作が必要だったりします。
ArtTipsのクリップボード履歴機能はCtrl+Vにより貼り付けが可能であることが前提なのでコマンドプロンプトなどには使えないと言う欠点も。
設定画面もやや分かりづらいところがありますが、FIFOと言う単語の知名度を上げるのに貢献したソフトではないかと思います。
Clock Launcher
スキンによる見た目の変更とプラグインによる拡張性を持つ時計型ユーティリティ。
何せWindows XP時代のWindowsのUIはダサダサだったので、時計周りの外観を変えられるユーティリティはTClockなども含めて一定のシェアを持っていたように思います。
Clock Launcherは相対パスによるランチャーの記述が可能で、『USBメモリに入れて持ち運べるポータブルアプリ』が流行っていた当時のニーズにも応えられるツールでした。
http://www2s.biglobe.ne.jp/~geoph/claunch.html
本体の主な機能を公式から引用します。
- メニューランチャ
- ボタンランチャ
- コマンドラインランチャ(+Google検索)
- マウス操作、キー操作の組み合わせによるランチャ表示機能
- アクティブなウインドウに吸い付く機能
- 音楽ファイルの再生(MP3,WAV,MID,WMA等)
- 動画ファイルの再生(MPG,AVI,WMV等)
- 書庫ファイルの作成(LHA,ZIP)
- 書庫ファイルの解凍(LHA,ZIP,CAB,RAR,TAR,ARJ,GCA)
- CDプレイヤー
- メモリモニター/ネットワークモニター
- 付箋メモ
- アラーム/カウントダウン
- メールチェック
- 時刻あわせ
- マウスアシスト
- ボリュームコントロール
- カレンダー
- クリップボード拡張
- デスクトップのアイコン文字背景を透明化する機能
- エクスプローラ余白ダブルクリックで一つ上のフォルダへ移動する機能
- エクスプローラでリネーム時、拡張子以外を選択した状態にする機能
- ウィンドウ移動時デスクトップ領域内に押し戻す機能
- スキン機能
- TClock Lightの一部機能を利用可能(要tcdll.tclock)
メモリモニターと言う響きがすでに懐かしいですが、当時はメモリ512MBのパソコンも珍しくなかったのでメモリ関連のソフトは人気ジャンルの一つだったのです。
音楽プレイヤーの見た目もスキンで変えられるのは当時流行っていたSound Player Lilithを意識してのことでしょうか。
設定画面の分かりやすさも特徴で、多機能ユーティリティを試してみたい人はClock Launcherから入るのがおすすめです。
TTBase
TTBaseは本体自体は何も機能を持たず、プラグインによって全ての機能を賄う常駐ソフトです。
当然ながら敷居は高いですが、ファイル保存ダイアログに任意のショートカットを追加できる『ファイルダイアログ拡張』などの完成度の高いプラグインや、CLCLなどの便利なツールのプラグイン化により常駐ソフトの中でも最も高機能かつ多機能。
5chのスレもこの記事で紹介したソフトの中では最長寿です。
CLCLはもともと単体のクリップボードユーティリティですが、FIFO貼り付けが可能でアプリケーションによって貼り付け方法の変更が可能なため、コマンドプロンプトなどにも対応できる完成度の高いツール。
あまりにも多機能なため設定項目を見ているだけで時間があっと言う間にすぎていく恐ろしいツールでしたが、クリップボード履歴や定型文を自分好みに設定したい人にはおすすめです。
『常に最前面』『アプリをタイトルバーだけの状態に折りたたむ』『ウィンドウ移動時にウィンドウを半透明化』など、ウィンドウ関連のプラグインが充実しており、キーボードショートカットの割り当ての自由度もかなり高く長らく重宝していましたが、これほど多機能なツールでも今のWindowsならなくてもなんとかなるものですね。
備え付けの光学ドライブが物理スイッチによる取り出しができなくなった時、『CDトレイオープン』プラグインに助けられたのはいい思い出です。
今後もWindowsの機能改善に期待
Windows 10の新機能「Sets」が開発中止に – Engadget 日本版
https://japanese.engadget.com/2019/04/23/windows-10-sets/
残念ながらExplorerなどをタブ化する機能は開発中止になりましたが、EdgeがChromiumベースになるなどオープンソースに歩み寄りつつWindowsの機能改善を続けるマイクロソフトには今後も期待できます。
bin+cueなど、iso以外のイメージファイルもマウントできるようになると嬉しい。